魔法少女将棋空間

将棋が勝てない、けど頑張る

【後手矢倉65桂速攻】およそ詐欺みたいな勝ち方

前回紹介した後手矢倉45桂速攻の実践編です。

局面A(便宜上先後反転)

ここから45桂と跳ねるのがこの作戦の骨子。

25歩と78金の交換が入っているのが研究範囲外でしたが、歩を交換されてもさほどデメリットにならず、飛車の横利きが消える可能性もあるため作戦を結構します。

△65桂▲66銀△86歩▲同歩△同飛▲87歩△76飛▲68玉△78飛成▲同玉△76金

局面B

飛車先の歩を交換し、横歩をとった後に飛車を切って金を打つのが唯一の攻めです。

65銀とすると、△88角成▲同玉△87金▲同玉△86歩が厳しく潰れてしまうので、▲58金と受けます。飛車を切った以上、こちらは攻めを切らすわけにはいきません。以下、

△86歩▲同歩△87歩▲79角△66角▲同歩△77銀▲69玉△88歩成

局面C

本譜はここで68角と対応したため、△78と▲59玉△68と▲同金△同銀▲同玉△49角となって後手の攻めが炸裂してしました。最善は角を逃げずに桂馬を取る手で、△79とに▲59玉と逃げておけば先手が指せたそうです。

 

今回のような棋譜が後手矢倉65桂速攻の一番成功したパターンになります。

正しく指せば後手の攻めも細いのですが、今回のようにひとたび間違えてしまうと奈落と言う破壊力がこの戦法にはあります。その点においては横歩の45角戦法にちょっと似ているかもしれません。

この手の戦法においては、相手をこちらが知っている局面に誘導するということがとても重要になります。まだこの戦法の存在が知られていない今、実は結構やれる子なのかもしれません。